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【店舗デザイン 】アプローチのデザイン

先日グランドオープンした割烹店のアプローチに飛び石を配置しました。

 

日本庭園や料亭でも多く見かけるこの「飛び石」について、

 

店舗デザインで採用した理由とともにご紹介してみたいと思います。

 

 

 

飛び石はなぜ置かれるようになったか

 

 

安土桃山時代、千利休によって茶道が広まったことにより、侘び茶の精神に基づいた

 

草庵風の茶室が多く建てられました。

 

この茶室に付随する自然の美を活かした風情の庭は「露地」と呼ばれ、茶室に通じる露地に

 

歩幅ほどの間隔を開けて置かれた、自然のままの平らな石が飛び石です。

 

飛び石は茶室を訪れる客の足元を汚さず、庭の苔や芝生を踏まないように、

 

茶室まで誘導する目的があります。

 

また、飛び石をゆっくり渡りながら庭の眺めを楽しんでもらう意味合いもあったとされています。

 

 

飛び石の置き方のパターン

 

 

飛び石の敷き方にはさまざまなパターンがあります。以下はそのパターンになります。

 

・直打ち

飛び石を直線に並べる敷き方です。

 

・二連打ち

石を2つ敷いたら間の1つの石をずらして敷く敷き方です。

 

・三連打ち

石を3つ敷いたら間の1つの石をずらして敷く敷き方です。

 

・二三連打ち

石を斜めに3・2・3と敷く敷き方です。

 

・千鳥打ち

「千鳥歩き」のようにジグザグに石を敷く敷き方です。

 

・厠掛け

大きく「く」の字に石を並べていく敷き方です。

 

飛び石と飛び石の感覚は歩幅程度の40cm〜60cm程度が良いとされています。

 

和服で利用する方が多いシュチュエーションの場合はせまめに配置するなど、

 

こまめに調整した方が良いと思います。

 

 

 

 

 

店舗デザインに導入した理由

 

飛び石は配置のパターンや大きさ、飛び石と飛び石の間隔により、

 

歩き方を変化させることができます。

 

ゆっくり趣のある歩き方をしていただくことにより、

 

店内のディスプレイを楽しんでいただきたい。また入店への期待感を高めたい、

 

そんなおもてなしの意図があります。

 

人間は身体のふるまいによっても気分や心情が変化します。

 

つまり、ゆったり歩みを進めることにより身体に引きずられるかたちで

 

心が穏やかになるということです。

 

日本建築にもふるまいからデザインされた形式が数多くあり、表面的な意匠ではなく、

 

その奥にある先人の知恵に学んでいきたいものです。

 

 

投稿者プロフィール

高野 峻太朗
高野 峻太朗
ドイツの照明デザイナーであるインゴ・マウラー氏に憧れ、
インテリアデザインの専門学校へ進学。

日本全国の名建築・インテリアデザインを1年間見て廻る旅の中で、
五感で人を感動させることができる空間デザインを仕事とすることを決意。

アトリエ系デザイン事務所・広告制作会社・大手内装デザイン会社を経て、
2019年にRootforを設立。

幅広い業種のブランディング・デザインをお手伝いしてきた実績をもとに、
中小零細企業専門のクリエイティブパートナーとして、日々活動しています。

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