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制約が良いデザインを生み出す

創作の世界では、「自由こそが創造性を生む」と言われることが少なくありません。

 

しかし、実際にはその逆が真理であることがあります。

 

制約があることで、私たちの創造性は研ぎ澄まされ、

 

想像以上の成果をもたらすことがあります。

 

特に店舗デザインの現場では、限られた空間、予算、スケジュール、法規制などといった、

 

店舗を取り巻く様々な制約が、むしろ素晴らしいデザインを引き出す鍵となります。

 

 

制約の力とは?

 

制約とは、デザイナーに与えられる「枠」のようなものです。

 

この枠の中でどうクリエイティブに動くかが、デザイナーや設計者の腕の見せどころとなります。

 

制約があると、一見不自由に感じられるかもしれません。

 

しかし、その枠をどう活用するか考え、限られた条件の中で最大限の結果を出すことが、

 

優れたデザインを生むプロセスの一部です。

 

例えば、ある店舗が限られたスペースで最大限の収容力を確保しながら、

 

快適さも両立させる必要があるとします。

 

このような条件下では、デザイナーは単に美しい空間を作るだけではなく、

 

効率的な動線や配置、視覚的な広がりを生み出す工夫などを凝らさなければなりません。

 

こうした一見矛盾するような制約が、想像力を飛躍させ、

 

よりクリエイティブなアイデアを引き出すことが往々にしてあります。

 

 

デザインは解決策

 

店舗デザインにおいて、デザイナーは常に問題解決者でなければなりません。

 

制約は単なるハードルではなく、解決すべき課題です。

 

この課題をどう解決するかが、そのデザインの質を左右します。

 

たとえば、老舗和菓子店のリニューアルを手掛けるとしましょう。

 

伝統的な雰囲気を残しつつ、現代の顧客にアピールできるデザインが求められます。

 

しかし、予算や既存の建物の制約があるため、全面的な改装は難しい。

 

そこで、素材の選び方や配置、照明の工夫を通じて、和の趣きを保ちながらも

 

新しい空気感をデザインする方法が問われます。

 

予算や空間が限られているからこそ、どこに重点を置くかが明確になり、

 

独創的なデザインが生まれやすくなります。

 

 

制約は可能性

 

制約はデザインを窮屈にするものではなく、むしろその可能性を広げるものです。

 

店舗デザインにおいても、制約をどのように活用するかが、そのプロジェクトの成否を分けます。

 

デザインに挑むとき、制約を新たなアイデアの種として捉え、

 

その中で最高のクリエイティブを発揮できるよう、挑み続けたいものです。

 

 

投稿者プロフィール

高野 峻太朗
高野 峻太朗
ドイツの照明デザイナーであるインゴ・マウラー氏に憧れ、インテリアデザインの専門学校へ進学。
全国の名建築・インテリアデザインを1年間見て廻る旅の中で、
五感で人を感動させることができる空間デザインを仕事とすることを決意。

デザイン事務所・広告制作会社・大手内装会社を経て、2019年にRootforを設立。

幅広い業種のブランディング・デザインをお手伝いしてきた実績をもとに、
中小零細企業専門のクリエイティブパートナーとして、日々活動しています。

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