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「居心地の良さ」は設計できるか?──空間における心理的安全性の作り方

カフェや美容室、飲食店、ギャラリーなど、人が集う場において「居心地の良さ」は非常に重要な要です。しかし、それは単にインテリアが美しいとか、椅子が柔らかいといった物理的な快適さだけではありません。

Rootforでは、「心理的安全性」こそが居心地の本質だと考えています。
本記事では、空間デザインにおいてこの心理的要素をどのように設計に組み込んでいるか、その考え方をご紹介します。

空間が与える「無意識のメッセージ」

人は空間に入った瞬間、無意識にその場所を評価しています。

・視線の抜けや照明の明るさ
・匂いや音の反響
・他人との距離感
・お店の人との関わり方

これらの要素が複合的に作用し、「この場所は安心できる」「落ち着ける」といった感覚につながるのです。

つまり、居心地の良さとは、意識しないまま心と身体がゆるむ状態。
それを生むには、空間が人に与える「無意識のメッセージ」を丁寧に設計する必要があります。

心理的安全性をつくる3つの設計ポイント

Rootforが実践している、心理的安全性を生む空間設計のポイントは以下の3つです。

1.視線設計──「見える・見えない」のバランス

人は常に、他人の視線を気にしています。
オープンすぎる空間は緊張を生み、閉鎖的すぎる空間は不安を招きます。

適度な間仕切りや、植栽・什器による“視線のコントロール”によって、視覚的な「守られ感」を演出します。

2. 導線設計──迷わせない、構造的な優しさ

初めての空間で迷うことは、心理的ストレスにつながります。
導線が明確で、トイレやレジが自然に見つかる構造は、“自分の居場所がわかる”という安心感を与えます。

「どこに立って、どこに座ればいいか」が直感的にわかる設計も、居心地の良さに直結します。

3. 音と温度──五感を整える空間の温度感

静かすぎる空間では緊張し、騒がしすぎると疲れてしまいます。
また、照明の色温度や空調の微調整も、無意識の快・不快を左右します。

「五感にやさしい空間」が心理的安全性を育むと考えています。

まとめ:「なんとなく、好き」は設計できる

「なんとなく落ち着く」「つい長居してしまう」──
その感覚の正体は、心理的安全性に基づいた空間設計です。

Rootforは、デザインの美しさだけでなく、お客様やスタッフが安心して過ごせる「心地よさ」も設計対象と考えています。

居心地の良い空間づくりに興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
無意識の安心感が、人とブランドのつながりを強くしていきます。

投稿者プロフィール

高野 峻太朗
高野 峻太朗
ドイツの照明デザイナーであるインゴ・マウラー氏に憧れ、
インテリアデザインの専門学校へ進学。

日本全国の名建築・インテリアデザインを1年間見て廻る旅の中で、
五感で人を感動させることができる空間デザインを仕事とすることを決意。

アトリエ系デザイン事務所・広告制作会社・大手内装デザイン会社を経て、
2019年にRootforを設立。

幅広い業種のブランディング・デザインをお手伝いしてきた実績をもとに、
中小零細企業専門のクリエイティブパートナーとして、日々活動しています。

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