Rootfor

6坪の沖縄料理店内装デザイン|居抜き活用でコストを抑えるリニューアル術

飲食店を開業する際、限られた面積と予算の中で「どう魅せるか」は大きなテーマです。
特に6坪前後の小規模店舗では、空間の広がりをどう演出するか、どこにコストをかけ、どこを抑えるかが成否を分けます。

今回ご紹介するのは、埼玉県さいたま市にある沖縄料理店「おきなわくゎっちー処 空人」様のリニューアル事例です。
元小料理屋の居抜き物件を活かしながら、限られた面積の中で“沖縄らしさ”と“心地よさ”を両立した店舗デザインを実現しました。

居抜きを活かしたリニューアル設計

今回のプロジェクトでは、既存の厨房レイアウトをできる限り活かす設計としました。
飲食店の改装で最もコストがかかるのは、実は設備移設や配管工事です。
設備を動かさずに空間の印象を変えることができれば、全体予算を抑えながら効果的なリニューアルが可能になります。

【Point】

・給水、排水の配管など、使える部分はそのまま活用(要調査)

・構造は大きく変えず、仕上げ材の刷新で空間の印象を大きく変える

・空調や給排気のルートを極力変えないレイアウトを検討

こうして、構造的な改修を最小限にとどめながら、“空間を新しく生まれ変わらせる”リデザインを行いました。

Before

After

6坪という小さな空間に生まれる“あたたかさ”

沖縄料理店の魅力は、味だけでなく“居心地の良い空気感”にあります。
お客様同士が自然と会話を交わし、気づけば隣の席とも笑顔が生まれる。
その「適度な距離の近さ」こそが、沖縄の文化の心地よさです。

6坪という限られた空間をデザインする上で大切にしたのは、“圧迫感を感じさせない密度”
既存小料理屋の小屋組を活かしながら、カウンター席とテーブル席をゆるやかにゾーニングし、間接照明で空間を広く見せながら、沖縄を感じさせる自然素材を使いました。

お客様が「居心地の良さ」を感じる瞬間は、デザインの“派手さ”ではなく、“配慮の積み重ね”にあります。

素材が語る「沖縄らしさ」

空間全体は、店内が広く見えるよう白を基調に木を組み合わせています。
華美な装飾ではなく、素材そのものが持つ「素材感」を大切にしました。

【Point】

・目線がいく、カウンターの立ち上がりには沖縄から取り寄せた琉球石灰岩の切り肌仕上げを採用

・カウンターやテーブルは杉の無垢材を使用し、時間とともに深まる経年変化を楽しめる仕様に

・洗い出し仕上げの床には琉球ガラスや沖縄の貝を埋め込みました

これらの要素が調和することで、小さいながらも沖縄の空気感を感じさせることができました。

まとめ:空間の小ささを魅力に変えるデザイン

新しいものをつくるということは、すべてを壊すことではありません。
そこに残る“味わい”を、どう次の空間に生かすか。

残すべきところの検討、コストを抑えるレイアウト、既存の状態を考慮した仕上げ材の選定──。
どれも一見すると地味な作業ですが、それぞれが積み重なることで、空間に“唯一無二の世界観”が生まれます。

6坪という数字だけを見れば小さな店舗ですが、
そこに込められた想いや体験は、どの大型店舗にも負けない豊かさがあります。

ただ空間をつくるのではなく、軌道に乗るまでを伴走するデザインを。
限られた条件の中でも、最適な形を一緒に探していきます。

WORKS(埼玉県さいたま市大宮区 沖縄料理店の店舗デザイン実績)

お問い合わせ

小規模店舗のリニューアルや、居抜き物件の活用をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

Rootforでは、空間デザイン・設計・ブランディングを一貫してサポートしています。
▶︎ お問い合わせはこちら

投稿者プロフィール

高野 峻太朗
高野 峻太朗
ドイツの照明デザイナーであるインゴ・マウラー氏に憧れ、
インテリアデザインの専門学校へ進学。

日本全国の名建築・インテリアデザインを1年間見て廻る旅の中で、
五感で人を感動させることができる空間デザインを仕事とすることを決意。

アトリエ系デザイン事務所・広告制作会社・大手内装デザイン会社を経て、
2019年にRootforを設立。

幅広い業種のブランディング・デザインをお手伝いしてきた実績をもとに、
中小零細企業専門のクリエイティブパートナーとして、日々活動しています。

About

初回のご相談・お見積もりは無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせへ