「十人十色」を空間で可視化する|カラー専門店の店舗デザイン

日々の生活の中で、サロンという場所はほんの数時間しか関わらないかもしれません。
けれど、その数時間が“自分を取り戻す時間”になれば、日々の生活が少しずつ整っていく。
そんな想いを空間に込めています。
美容室やサロンという空間には、単なる“施術の場”を超えた価値があります。
そこには、人の個性を引き出し、日常に彩りを与える「体験」が生まれる場所としての意味がある。
Rootforが空間デザインを担当した兵庫県西宮市の「toiro」も、まさにそんな“体験をデザインする”プロジェクトでした。
十人十色というコンセプトを空間で表現する
「toiro」という店名には、“十人十色の個性を活かす”という想いが込められています。
その想いをどのように空間として表現するか、悩みぬきました。
空間全体を設計するにあたって意識したのは、「個性の集合体」というテーマです。
素材や色、照明のトーンまでもが、声高に主張するのではなく、調和しながらも個々に個性を放つように構成しています。
十人十色の個性がコンセプトの、壁面に設置した円形ミラーは光のスペクトルを纏い、柔らかな光でお客様の表情を自然に引き立てるライティングを設計しました。

店舗の核をつくる“体験”の設計
サロンのデザインにおいて重要なのは、どれだけ美しい空間をつくるかではなく、そこに訪れる人がどんな体験を得られるか。
「toiro」では、お客様が鏡の前に座った瞬間に“自分らしさ”を再認識できるような、心理的な居心地を目指しました。
人が変わる場所には、安心と少しの非日常感が必要です。toiroの空間はその二つを両立させることを目指しています。

デザインが導く、サロンと人の関係性
サロンは、日常の延長線上にありながら、少しだけ非日常を感じられる場所。
そこに求められるのは、機能性だけではなく、訪れるたびに心が整うような“感覚のデザイン”です。
まとめ:空間は人の想いを映す鏡
「toiro」というサロンの名が示すように、人の数だけ個性があり、心地よさの形も違います。
Rootforが大切にしているのは、そうした違いを“デザインで可視化すること”。
デザインとは、単に美しく整えることではなく、人と人との関係を豊かにし、ブランドの本質を浮かび上がらせる力があります。
toiroの空間は、まさに“十人十色”という言葉の体現。
一人ひとりが自分らしく輝ける場所として、今日も静かに光を放っています。
WORKS(兵庫県西宮市 カラー専門店の店舗デザイン実績)/toiro
投稿者プロフィール

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ドイツの照明デザイナーであるインゴ・マウラー氏に憧れ、
インテリアデザインの専門学校へ進学。
日本全国の名建築・インテリアデザインを1年間見て廻る旅の中で、
五感で人を感動させることができる空間デザインを仕事とすることを決意。
アトリエ系デザイン事務所・広告制作会社・大手内装デザイン会社を経て、
2019年にRootforを設立。
幅広い業種のブランディング・デザインをお手伝いしてきた実績をもとに、
中小零細企業専門のクリエイティブパートナーとして、日々活動しています。
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